『風物』 作詞作曲/衛藤文敬
五月雨に群れるドクダミの葉に
数センチ足りぬ前髪揺らし
遊泳禁止のプールでお道化てみせるあなたに濡れて
6月に蒸れる青山通り
花嫁も向日葵もジオラマに人だかり
その背後を幼少期の2人が走り抜けてく
夏を舞台に
脱げるボレロ 暮れる路地の裏の裏で
役を終える風物詩がバケツの中へ
かつての浴衣姿をラムネのビー玉に映す
八月に茹だる打ち上げ花火
黄昏の9月線香花火
「どちらが好き?」と尋ねると
両方と答える 侘びしらに
10月生まれのあなたはいつも
決まってこの時季夏風邪引いて
キスして ねぇ
空の水槽に残れる微熱が上がり続ける