#004

つづく

【22299】
【19833】
【24108】
【23279】
【16053】走ろ、寒太郎。

川沿いコースへ→北風小僧の一年振りの表敬訪問にジョギングや散歩を嗜む人数は心なしか減少し、ランニングに勤しむ人数は相変わらずかやや増加したかのように見える。私は?と言うと、走ったり歩いたり徘徊したりをその日時に最適な選択肢を選ぶという甘えを選んでいる。そして時々、夜露に夜露死苦なベンチに腰を下ろしては、4つ先の街路灯が老いのせいか淡い緑を含み始めていて、泣ける。『みんなは元気にしているだろうか?』と侘びしらに思うことも許されるはずもないが、そんなことを思ってしまうよ。会わせる顔がないという幼稚な利己をゴリリと押し通せる程もう若くもない、それどころか、背後から20〜30カ所鋭利な刃物で刺されても当然な歳の取り方をしてきたのです。走れ。くそったれ。ハッ、軽率な驟雨に、ハッ、木々が、パッ、イチョウが、すぅー、先にそれに気付く。パッ、胃腸が、パッ、先にそれに、ズゥー。走れ。そしてから  。

【20125】湿る部屋と歩数計と私、どうにかここまでやって参りました。

君には僕の姿が見えているんだね。ご無沙汰しております、呪怨ボーイ2009のsoshiteです。御閲覧頂き誠にありがとうございます。皆様に重ねて頂いたページビューだけを励みに頼りに今日も元気だCO2が美味い!と書き腫らしております。さぁさぁ、炬燵に入って一緒にお茶を濁しましょう。今年は炬燵の天板をドリッとくりぬいてミカンの木を植えてみました。これで暫くはみかんを補充しなくてもよかろうと先程から私はしたり顔をしているワケです。CCC。右右右。2.0。この薄汚っちょねぇドヤ顔をお見せ出来ないのは非常に残念ですが…続けましょう。“炬燵・みかん・お茶”静岡出身の冬将軍をも歓迎するこれら三種の神器を備え付けたシチュエーションに両足を投じた途端に、余は詠みたくなってしまいましたぞよ。そこで一句、失礼して。

『薄着のみ 5枚重ねて ふるもっこ』  冬の季語…ふるもっこ

「アメフトやってた?」と疑われる前に早急に防寒着を出さねば。衣替えをする頃にはそのシーズンの大半が終わっている…お前はもう死んでいる…ピプーな事態は往々にしてある(あった)が、今年こそは何としても避けるのだ!押し入れに乱雑にテトリスされた箱々をジェンガする。出てこいやー!!俺の厚着!!比較的厚着!!□?□?□?◇?プチプチ(梱包用)/フィルム(35ミリ)/卓上木琴(YAMAHA)/紙袋(出番待ち)/一眼レフカメラCanon)/箱(空)/FUZZ FACTORY(Z.VEX)/狸(信楽焼)/フィルム(8ミリ)/ネガライトボックス(FUJIFILM)/ハーモニカ(TOMBO)/ネクタイ(出番なし)/ポラロイド1000(白虹)/スズ BELL GRELOTS(無印良品)/フィルム(120)/スラムダンク全巻(あの頃の僕達は無敵でした)/プチプチ(プチプチ用)/映写機(8ミリ)/ほっ、映写機!?やらが出てきて、って、ていやっー!!わしの比較的厚手の着物は何処へ??麗しのっ…愛しのっ…厚…スラ…ム……ダ…んまぁ折角なので、運命の再会を遂げた一本の8ミリフィルムを壁の余白に映写してみる。


【今し方探していたコートを二十歳の私が着ている、それも着こなしていた】


彼からおめおめと受け取った枯草色のコートの左ポケットからは、1枚の落ち葉と1枚の落ちピックが嘘みたいに溢れ落ちました。嘘みたいに、本当に。気付けば私は土下座をして、もんわりと汚れた単なる部屋の側面と化した画面を腹の空く迄だゆだゆと眺めておりました。

自Q.一度だって私は寒がる誰かの肩に自身のコートを差し延べたことがあっただろうか?
自A.いや、ない。一度だって、なかったのです。


そして、喪が明けた。明けてみれば拍子抜けする程変わらずに変われずにいて、験担ぎで切り落とさずにいた髷を断絶するタイミングを完全に失い、堅気感のNASAだけは益々磨きがかかっています。ウェルカム、職務質問

P「普段のお仕事は?」
S「今週はサンタクロース(自称)です。来週は元サンタクロース(自称)の予定です。奇跡(打算)的に東京の聖夜に雪が降ればの物語ですが…。」
P「…雪、適量に降り積もるといいですね。」
S「…そうですね。……せーのっ、メッ…」
P「めっ?」
S「メリィ…」

PとS『メリークリスマス(他称)!!』

どう足掻いたって平和な平日です。雪なしの平日なんです。
ギンギンギラギラの冬なんです♪


《《巻き戻し《《 2009/12/06

いざ吉祥寺へ。
私にとって数少ない親友であり戦友でもある(と小生が勝手にしやがっている)ギタリストが活躍する或るバンドのLIVEにゲリラ的にお邪魔する。突撃の不法侵入にも温かく迎え入れてくれてありがとう。ライブハウスに潜入するのは3年弱振りということも手伝っていつもより余計にどぎまぎ回しておりましたが、プカ プカ プカ プカ 煙が〜♪(チャットモンチー『染まるよ』より)と、目紛しく明滅するエロエロい照明と、凪と灘を繊細にパンニングされ波打つ海岸フロアと、ただただただならぬポップロックに一瞬でクライマックスしてしまいました。久々に心臓に青春の汗をかいちまったぜ。ありがとう。本来ナマモノである音楽をナマで召し上がって頂く意義を重々承知した上でインディーズシーンの前線にスックと立ち、時に非音楽の長い巻物に私なら違和感を禁じ得ないような面倒な風雨をもその全身で全心で真っ向から受け切り、その最終形として凛然と楽しむ彼ら(リスナーを含む)の音楽を耳にする度に、私個人が頑に固持している音楽へのとんだ誤解が見る見る解かされていくのが分かるのです。又、音楽へのとんだ疑いが見る見る晴らされていくのも客席に居たたまれなくなる程分からされてしまうのです。音楽ってどうやらどうにも楽しい行事らしいと。正に楽しかったです。楽しい事件をありがとう。


》》早送り》》 2009/12/XX〜

[木曜日のアンニュイ14世に罪はない、殺るなら俺を殺れ]

日没から浅くひと呼吸を置いた折、川沿いコースへ→あの日から弦を張り替えていないグリーングリーンアコースティックギターを背負い、無名の坂を下り、無名の林を抜けて、有名の野球場のフェンスと対峙し、氷点のコンクリートの一角のそのまた角に窮屈な胡座をかいて、歌った。誰に対してでもない<私不在の>つまりそれは全ての誰かに対するものになり得ればと。君の不在の町へ、歌った。

【初めから歌わなければ全てを歌ったことになるのであれば歌わないが残念ながらそうはならないので歌う】

約3年振りの外(人間界)での【歌】と【ギター】はへろへろチョップで(元々下手糞でしたが、もう有害ノイズにすらなりませんでした。一昨日来やがるぜ。)、全皮膚を捲り上げる寒風にカチンコチンコ寸前の右前脚が根元から千切れ落ちて、離脱、これじゃレッドレッドAGやな、いかっ、冷凍、イカ、ははっ、麻痺、なんてさ、パッ、これでいいんだ。走れ。ハッ、んだ、パッ、ずぅー。これで、ジャッ、よかった?イチョウが、キーン。よかったのかは、来年へ、ザッキュ、再来年へ、シュッー、走れ!春へ!走れ!!そしてから死ね。死んでから聴いてくれっ!!そうしたら必ず、これでよかったと即答するから。


次の曲の頭のA#mのコードの完成と同時かやや遅れて、左後方の茂みから寒太郎が「旦那、わてもう先に帰りまっせ。」と呆れたニュアンスでも優しい配慮を含んだ捨て台詞を頂戴してくれてから、右上空の黒へフェードアウトする>>>、しばらく、綺麗な黒、シャカ、ふぅー、お待ち下さい。逆光、シャザ、シャワ、ざっ、るん、

A「すみません、今の、あなたの曲ですか?」
S「えっ?…いえ、あるバンドの曲です。…現在活動休止中の無名バンドなんですが…。」
A「ほへぇー…好い曲ですね。」
S「はわっ、ありがとうございます!……………(僕も……時々そう思います。)」
 
《君には僕の姿が見えているの?》

A「…(うん)頑張って下さい!」
S「あはっ、はひっ、はりがとうございますっ!!」

なんてさ。 泣く。

ありがとう。もう一度頑張ってみるよ。
産まれてから今日まで軽く見積もっても何万回と何万種類もの涙から選びに選んで流出させているが、多分これは最強に感じちゃった時にカモンベイビーのヤツだ。知ってる。
また、君に救われてしまったね。ありがとう。

声を掛けて下さったおそらく散歩途中のさっきまで事実上他人だったあなたへ。
本当にありがとうございました。本当に頑張れます。頑張ります。楽しく。

明日もまた同じコースを走ろう。
まさか聴いてくれる君がいる。
そして、今夜聴いてくれた君にまた会えるかもしれない。


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      『温度差』 作詞作曲/衛藤文敬 


    換気扇が招き入れたのは今朝 顔洗い躊躇い
    蛇口の内側と肺の裏側までも いざ凍らせる程の気温すら
    御相子でしたね 御相子でしたね


    雪に成り済ましたのは雨 袖を盗む輩は春
    読書する君の隣は角部屋の昼下がりと似てた
    歩道を歩かせたのは外 車道を歩かせくれたのも外 それはそうと 


    そっと落ち葉は落ちてから正に落ち葉
    117頁挟めば 118頁からの見せ場 読まずに君へ返してさよなら
    さよならだけなら随分上手に言える様になっていました
 
    手袋の上から
    君の手を冷たく感じてしまうのはどうも僕のせいだから
    普段着を来てる筈だろう君の今日が何事もなければいい
    いつ何時のどこ何処で相変わらず元気でいてくれてますか?


    洗えば洗う挙げ句この手が冷たくも感じなくなってしまえばいい
    その方が僕には楽だから
 
    君の手をその右手を冷たいと感じてしまうのはやはり僕のせいだから
    あの本の感想を話そう 偶然今度春に会えたら話そう
    だからという訳ではないけど 気付きやすいように
    顔挙げて歩いていて


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追伸:「2009年12月17日19時33分の路上で『温度差』を弾き語り、その一部始終をカセットテープに録音する手が、どうにも冷たい。」を、同日の深夜【そしてMySpace】へアップ致しました。もしこの中にへろへろウンチョスでもHEAD-CHA-LAで素手で持てちゃうぜっていう心優しいナメック星人の方がいらっしゃいましたら、4分56秒のお時間を持て余されている時にピッコロっとお立ち寄りお聴き下さいませ。→http://www.myspace.com/thesoshite

<つづく>