#005

*前記*

 無類のお一人様主義者であると3歳(sunshine)から公言してきた私の本性は、人が好きで好きでたまらなくてたまりません。だから、次期世界人類皆集会を知らせる伝書鳩の左翼の【不参加】の三文字にハナマルくれさせて下さい云々なのかも知れぬと、最近はそれらしい説明付けを都合良く拵える術も随分と熟れたものになりました。既成集団への介入が万年赤点だった小学校時代からも通信簿の“はぐらかし”の評価欄だけは決まって5(go)を頂いておりました。えっへむ。そんな私の必殺技“はぐらかす”を封じ込められたらおそらく私は、人が好きだ。人が大好きなんです。という突飛な気持ち悪い告白から始まりました2010のイゾラドの春(と修羅)、皆様いかがお過ごしでしょうか?その後お変わりありませんか?こちらは口溶け雪片の粋な江戸前演出にジュンジュワった今期の東京の冬(9days〜)を名残惜しみながらも最寄り駅まで見送り、万象が一見様専用の公衆便所に駆け込んでは白濁の割れ鏡の奥の奥の方で、ぴんく、春化粧を施し始めています。綺麗になったね。かつては自殺を促された気さえしたこの時期特有の生々しい風(※一部時間帯を除く)も、今年はどこ吹く風と感じるようになりました。その心境の異変に自身でもドン引いています。ドンsoshiteです。また、その激変に驚きを隠せずに仰け反ろうとする動力を上手く活用して、ピンク、自転車を漕ぎ漕ぎ漕ぎ出して余計にその春○番を前面に受けては『おいで、春』と微笑んでいます。危険ですね。末期ですね。これは老いの仕業でしょうか?…むんっ?…もしや晩年の兆しとな?…それとも遂に…狂るはっ!!あわわっー、忘れておりました!!大変申し遅れ馳せながら、明けましておめでとうございます(一人時間差)。明けましたね。わーい。何はともあれ昨年末の瓶詰め業界の間では「2010の蓋は固くて開かないのではないか?」YY囁かれておりましたが……あっ…明けましたね。今年こそ宜しくお願い致します。全員にとって健全な春が来る明日を陰ながら願っております。それでは聴いて下さい、『ここ4ヶ月間の私の動向にピクルスが2枚融通を利かすだに』です、どうぞ。


[動物が人間の着ぐるみを着て人間園に御機嫌よう]

 日曜日だった。必ずしもその日取りでなければならない法令あるいは条例は私の知る限り未だ定められてはいないが、発情と都合と暦法が辛くも合致した。だから日曜日でなければならなくなった。そうだ 京都、【いいえ】 動物園、行こう。入場曲は“五つの赤い風船”の『淋しいサイの目』でお願い致すのだ。一般・霊長類UNIQLOヒートテック属ソシテクス1枚下さいませ。ありがとう、研バイキさん。トランスへのゲートを潜り抜けると直ぐに眼中を虜にした哀愁パンダーズの置物(小学校の修学旅行時にも頑としてあったった!)に「来年こそソーシテックになれますように。」とコンテクストをまるで無視したパンキッシュな参拝をお見舞いする。2010こそあなたのハートをヒートさせるヒトに私はなりたい。
 定年退職を間近に控えたクーピーペンシル(草臥れ色)を用いて利き手とは反対の足で描いたような灰と 【はい】 でHighな上野上空は、安直にフランスを想起させた。生まれてこの方一度もフランスに訪れた事はないが(んっ?)、大凡こんな天空のニュアンスをしているでザマスと仮想フランスに思いを馳せる。ボン-jour-じゅるー。ほら、お拭きなさい。メルシー僕ー。本物を知らない方が案外正解に近づけたりするこの世のトリックor屁理屈を井戸の根底から真ん丸のヤーツを仰げばケロロロロ。空が静止している。
 師走の都心の休日、園内は予想を遥かに上回る観客動員数でわっしょいらっしゃいっしょいしょぱいネギ坊主!らっしゃい!周囲を見渡せば家族連れや恋人達やギャルサーコロ助がそのほとんどで、成人男性約1名、うっ…浮いている。しょいしょい(Chorus)。思わず両足が地面に貼り付いているか目視で確認したぐらいだ。うんっ…浮いてるー。2〜3cm浮いていました。今年は幽霊役にも挑戦します。父上母上、おいら立派なYU-REIになって帰って来ます。ひゅるどろ。
 こちらが守ってあげたくなるような“ちゃんじぃガードマン”から放出されている要注意人物ですぞですぞ熱視線を巧みにかわしながら、今日は動物園に対する賛否両論一切を無視して単純明快に君達に会いに来たんだ。内田裕也氏の言葉をお借りすればロケンロール代表で会いに来たのさ。わーい。
 さて、ぶかぶかのパンダの着ぐるみを着せられる羽目になったレッサーパンダは懸命にお客を寄せている。その涙ぐましい勇姿に涙したら余りに出来杉くんなので涙はしない。ガン見守る。2011年に値札の付いたパンダーズが借りて来られる予定も静かに見守っ…ガン見守っていきたい。ひょぇ、失礼ながらノーマークだった猛禽類がツボに入ってしまって抜けません。風流なフォルム。畏怖の念すら抱く歌声。そして、あの暗黒さ。たまらん。とあるケージ前の説明板に腐肉食の習性について説明がなされていて、その前で燥ぐ子供達がこの連鎖を解釈する頃にも今と変わらないぐらいの声量の歓声を聴かせてくれることを切に願った。動物園の騒々しさは遊園地の騒々しさよりも心地が良いです。もっふ、カメラのレンズを向ければ艶かしいポージングで応対してくれるマレーグマは、やはり“さん”付けで呼ぶのが相応しい。蟻にも“さん”を付けていた跡形などなくなってしまった今現在の小生も、くまのプーには“さん”付けが自然に行われていたのも頷ける。クマには“さん”が、良く似合う。名曲『森のくまさん』然り。ぱお、こちらの手の内の全てを見透かしているような眼をしたアジアゾウに踏まれて薄っぺらい物体になりながら浮遊しました、ペライ、その状態を保持し檻や柵の内の動物を凝視していると、私が【内】で動物が【外】にズレ動く瞬間が度々訪れては消え去り、リピート、その数秒後には平気で肉まんを喰らったりもする。ブタ様、俺の中で生きて下さい(建前)。間接的に動物を殺し、直接的に動物を嗜む。それもほぼ同時にだ。人間は実に巧妙に出来ている。いけないことでは決してない……むしろ歓迎しているはZOO……ぅぃ…いけぬ。厄介な方向へ思考が働き始めてしまいそうですので、次へ進みましょう。君達との出会いを台無しにはしたくないのさ。シェケナベイベ。うむ、旨い(本音)。ホグホグ。退場曲は“ゆらゆら帝国”の『人間やめときな』でお願い致すのだ。

追記:翌朝はヘビー級王者アナコンダの夢で目覚めました。ふひぃ。両生爬虫類館のうらめしやー、侮るなかれです。


[The新年会]

 不定周期的に音信不通・行方不明になる面倒臭せー難癖のある私だ。そんな私と連絡をとる努力をし続けてきてくれた神様のような友人達と久し振りに再会する。ハグハグ。ザ・シンセカイです。北は北海道、南は佐賀県から、そして東は東京から、地元静岡へ。幸せでした。諦めないで良かった。出会えて良かった。生きてて良かった。君が生きてて本当に良かった。変わりない彼らと顔を合わせる度に彼らと共に過ごせたあの日々を、諦めそうになり掛けたあの日にもみんながいてくれた事をどうにも思い出し溢れてしまって、登場人物や場面は違えど“さだまさし”の『秋桜』の「いつの日もひとりではなかったと〜」の一節を唇にブリ返し噛み締めてはケロロロロ。夜空が作動している。みんな、ありがとう。ハグハグ。また会おう、必ず。その為にも小生の勝手なお願いだが、どうか一日でも生き長らえていて欲しい。


[東京]

 その“必ず”は直ぐに叶えられた。切なる願いにザッハリッヒな動きが伴えば、夢は叶うと知りました。“夢は叶う”というデリケートフレーズが初めて腑に落ちる瞬間を目の当たりにしました。東京に生きる。私がいる。私たちがいる。みんながいる。みんながいない。あなたちがいない。あなたがいない。それでも東京に生きる。偶々、東京だった。ただ東京にもう少しいさせてとも思う。東京というとんでもないモチーフが多くのミュージシャンを魅了し感化し生まれた数々の『東京』=名曲の法則を根こそぎキルし兼ねないが、この無謀な契約をマモノとやらと交わし書き始めたこの駄曲が完成する頃に、この街に住まう意味が今より少しはマトモなものになってくれろと珍しく熱唱している。熱唱している。熱唱している。東京が生きる今日に、もう歌わざるを得ない。


[ZPJ川心中は未遂にして、お願い]

 約6年前から愛用していたデスクトップ型のiMacくんが自身のフットワークの重さに限界を感じ千鳥足になっちょる旨を前々から申し出ておりましたので、私は苦渋の決断の末延命治療をせずに新しいMacさんを泣く泣く購入する未来を選びました。カスタマイズを必要としたので最寄りのApple Store,Shibuyaへ 。これをこうこうこうしてMacBook Proを購入しました。わーい。また、Macを新調するに伴い今更ながらPro tools LEを導入しました。わーい、やったー。これでライン中心の生活とも、秘技毛布被り小声録りとも、フリーズレコーディングとも、おさらばなのさ。ふぉっ、ふぉっ、ぶほっー、鼻血ぴゅっーだ。卒倒。一先ずおやすみなさーい。zzZZzzZZZ。さて、極貧ぼっちゃまです。頑張れ!!非正規雇用労働者の俺!!!近未来に新宿のLED街で銀盤と青箱を抱えて段ボールの上で眠っている人物がいたらそれは私なのでどうか起こさないであげて下さい。夢でも見ているのでしょう。悪夢かもしれませんっ!!?一生覚めぬ悪夢だとしても、音楽を作る余生しかないのさ。とはいえ音楽に過度な期待は禁物です。少々奇妙に聞こえるかもしれませんが、それ程期待もしていないと自分では変に決着ついております。なぜなら、もしも何かの手違いで私の周囲に愛するひとの話し声や笑い声や泣き声や物音や足音や涙の落ちる音までもが聞こえてきたら、即座に自身で音楽を鳴らすのを止めるのは想像に容易く、それら声や音に聴き入ってしまうと確信します。本当の私の夢は、音楽が不必要になるほど愛おしい毎日です。そんな毎日なんです。だから、その奇跡中の奇跡のような日曜日に聴かれることのない音楽を再び始めてみようと思い立ったのです。DTMがまるでハテナな私ですが、高校に入ってから身長が伸びた派であることを自身へ熱心に言い聞かせ暗示をかけながら、今からでもまだまだ背が伸びるもんねもんねと痛々しくも本気で思い込んでおるのです。Fu-Fu-Fu、2010のsoshiteに触れたら火傷するぜ!?ぶぴゅっー(Chorus)。
 しかし、周知の事実ながら機材それ自体は曲を作ってはくれません。そのまたしかし、機材さえ手に入りさえすればいとも簡単に作曲し披露に至ることの出来るこの時代に、私の残り時間の全てを捧げたとて聴き終える事の出来ない曲が既に存在しているこの時代に、あえて曲を作るという仕事について考えることから初めて逃げずに向かい合っています。ラジカセであろうとPro toolsであろうとやることは何一つ変わらないのです。


[赤鬼を青で塗り青鬼を赤で塗る手間を惜しまずにいられたら2月3日は快感ナリ]

本日の漫画:『スキエンティア』戸田誠二、『熱病加速装置』元町夏央
本日のお菓子:『ハッピーターン亀田製菓、『でん六豆』でん六(*)
本日のプレイリスト:『袋小路』太田裕美、『台湾ディストーション想い出波止場、『街』SHUREN the FIRE、『ためいきの銀河』Terry & Francisco、『お前を捨てる』渚にて、『パレード』小島麻由美、『八月の嘘』STANCE PUNKS、『temptation[Drum Mix]』中谷美紀、『Loco Tracks』MONO、『福は内鬼は外』細野晴臣(**)

(*)(**)猛烈に意識している!!!節分を、伝統を、和を、文化を。赤と青の伝説を。それらを大事に大事に壊していきたい、心を鬼にして。綿棒を振りかざせ、MEeeeeeeeeN!!!!


[花粉・鬱憤・90分]

 大の大人に全力で露骨に嫌な顔をされると(逆に)気持ち良かったりもする。こちらに何ら落ち度がない場合は殊更(逆に)気持ち良かったりもする。因みに誤解のないように(あっても何ら弊害はないが)一応前置きしておくと、小生はマゾヒストではない。且つサディストと言える猛者でもない。“3mmだけS寄り”と自己分析をしている。世界一どうでもいい告白ですね…戻ります。勿論その類いの不快な表情を披露された時おなじみの気持ち悪さも同量に感じる。しかしながら言いたい事も言えないこんな世の中じゃPOISON(©反町隆史)な世の中で、不愉快であるという感情を剥き出しに表現出来る素直さに(逆に)愉快にならざるいられないのだ。私なら出来ない。少なくともここまで順調に回転中のコミュニケーション・ブレイクギアに土砂を注ぐような真似を回避しようとそれなりに奮闘し、その為に必要な即席の冷静お面を作成する用の彫刻刀は常時揃えてある。左胸ポケットに仕舞われているそれらの刃が時に自身の心をケチョんケチョんに切り刻むことも美徳だとさえ思っていたりする。それがたとえ刷り込みだとしてもだ。円滑こそ美しく無害だと信じて止まなかった。今尚そう信じている思想の割合が殆どなのも自覚している。それでもやはり当事者になるのは怖い。死ぬのが怖い。今は、死にたくない。喧嘩や事件や戦争の中に家族がいなければ友達がいなければ知人が他人が敵(仮)がいなければ、そして自分がいなければと切望する上で聴く耳や謙虚さや妥協は必須アイテムのように思える。ただ許さなくてもいいものまでも許そうとすることは果たして愛なのだろうか?問題なのは表現の仕方で正しい表現までも理不尽な力に殺し殺される理由にはならない。だから、これからは清く正しい方法でキャツラの胸倉に掴み掛かってやろうとも企んでいます。少なくともこれ迄使わず終いだった表情筋をあれこれと使っていきたい。こうして片側顔面痙攣が始まり、終わりを告げた。紅潮。実に嫌な顔をしちょる。これは正しくスギ花粉に対する健全なるアレルギー反応なのだ。スギ花粉よ、我の粘膜の全てを蹂躙するがいい。君のせいでこんなにも嫌な表情にだってなれるんだ。嗚呼っ、気持ちええじゃないか。ええじゃないか。この思想の変遷の真意は、安易にスギと共生しよう等という若き驕れた過去の自分に対する宣戦布告かも知れない。こりゃぁ戦争だ。ずぴぃー(Chorus)。許す!!!!!


[登山家のクリスマス・イヴ]

 巨大な黒のバックパックに光量のほぼ全てを奪われて見上げれば、あなたでした。当時21〜22歳だった私はアルバイトを何を血迷ったか不向きこの上ない接客業に従事しておりました。店柄土地柄プロアマ問わず連日大勢のミュージシャンが押し寄せては消えて星になって灰になって自称ミュージシャンになって、そんな中普段から好んで拝聴しているミュージシャンの方も数多く来店されておりましたが、その方本人と気付いても気付かぬ振りをして一お客様としてお迎えするのが最低限のマナーだと未熟ながらも思っておりました。使用されているギターやエフェクター等についてお話したいです!!を押し殺して。ましてや“どうか気付かないで下さいオーラ”を放出されていれば尚更の配慮が求められます。その時分あなたがフロントマンを務めるバンドの2ndアルバムが発売されたばかりで、京王井の頭線上の正午も近づき伽藍堂となった通勤電車の中でぶほっぉぶほっぉくすっと聴いておりました。正に狐につままれたようでした。痛気持ち良くて最高に気持ち悪い(勿論良い意味ですよ)。何とも切な過ぎて。今はどうしても痛みだけが増幅されてしまいます。「いつも聴いてます。」と言ってしまえば良かった。「Sさんの歌、大好きです。」と言ってしまえば良かった。なんて、今となっては如何様にも言えますが…。あなたが背負われていた登山用リュックサックの中身の正体を窺い知る事は今更出来ません、が、揣摩憶測を慎まずに言ってしまえば、実際以上に重たい荷物を背負われていたように私には映りました。これも今となってはですが……がっ!命を懸けて登っているからきっとあなたの紡ぐメロディは戦慄くほど美しいのだっ!!その姿!形!様!→絶景!!!でした。一足先に名実共に最高の景色を見渡せる山の頂で、その重たかったであろう荷を降ろしゆっくりと休まれて下さい。本当にお疲れ様でした。私もこの山の裾野で生を受けた運命に抗わずに登ります。そして何時か登り切れる時が来たら、その時は是非山頂で対バンして下さい。前座させて下さい。それからギターやエフェクターのお話でもしましょう。あの曲の最強アレンジについてお話聞かせて下さい。富士の地酒でも喰らいながら。そして、無礼ながらお友達になって下さい(生意気にも本気です)。宜しくお願いします。これからも。最後になりましたが、本当にありがとうございました。敬愛なるS様へ。かつて某楽器屋アルバイト店員より、愛と敬意と感謝を込めて。


*後記*

 最近、約9年振りに旅行に行って参りました。後日粗熱を冷ましてからその事件の全貌を綴ろうと思います。私が自叙伝を語る上で欠くことの出来ない愛しい5日間となりました。乞うご期待!!とまでは嘯けませんが…。それではまたお会いましょう。MCは私、ドンsoshiteでした。See You Next 然るべき良き日。さよなら。