温度差

   『温度差』 作詞作曲/衛藤文敬 


  換気扇が招き入れたのは今朝 顔洗い躊躇い
  蛇口の内側と肺の裏側までも いざ凍らせる程の気温すら
  御相子でしたね 御相子でしたね


  雪に成り済ましたのは雨 袖を盗む輩は春
  読書する君の隣は角部屋の昼下がりと似てた
  歩道を歩かせたのは外 車道を歩かせくれたのも外 それはそうと 


  そっと落ち葉は落ちてから正に落ち葉
  117頁挟めば 118頁からの見せ場 読まずに君へ返して さよなら
  さよならだけなら随分上手に言える様になっていました


  手袋の上から
  君の手を冷たく感じてしまうのはどうも僕のせいだから
  普段着を来てる筈だろう君の今日が何事もなければいい
  いつ何時のどこ何処で相変わらず元気でいてくれてますか?


  洗えば洗う挙げ句この手が冷たくも感じなくなってしまえばいい
  その方が僕には楽だから

 
  君の手をその右手を冷たいと感じてしまうのはやはり僕のせいだから
  あの本の感想を話そう 偶然今度春に会えたら話そう
  だからという訳ではないけど 気付きやすいように
  顔挙げて歩いていて