#011

そんな眼で、見ないでおくれ。



食べたりはしないよ。


LOVE は、

BABY BABY を、

殺したりはしない。


しかし、

だ!


腹は減る。

森も減る。

丘はHill.

服をKill.

・・・。


さぁ、今の内に…

お逃げなさい。


丸ノ内線の終電が刻一刻と近付いてるぜ。


 * * * * *


W「いらっしゃいませ。…まさかの御一人様ですか?」

S「はい。」

W「そのまさかの果てにお煙草は吸われますか?」

S「…いえ。」

W「どうぞこちらへ。お足下の地雷に御注意ください。」


ちゅどーん


 案内された禁煙席のハンバーグ似のソファ。臀部を密着させようとバックボーンの力を抜くと引き換えに、おそらくセブンスターの薫りがした。きっと新人の彼女はヘビースモーカーなのだろう。私自身はタバコを吸わないので朧げだが、父が昔同じ銘柄のソレを一時期愛用していたのが“当たり”に近づけた。ここはどうやら七つ星ファミリーレストランのようだ。☆☆☆★☆☆☆


 あっ、この上座からなら辛うじて大型タンカーが小型タンカーぐらいには見て取れる。

 
 海はもう、そこまで来ていた。


 七子ちゃん(仮)が、しつこいくらいに慎重に水素と酸素だらけのガラスコップを、予め卓上に張られたビックリマンシールヘッドロココ)の目印に寸分狂わず合わせる。その所作には目を見張るものがあった。単なるノスタルジーでは済まされない、未だ首の座らぬ赤子を抱き上げるようにその終始を目撃していた。マニュアル通り、客は私ひとりだった。
 旧城下町の交通を彷彿とさせる格子状の折り目が付いたエプロンが、隙間風に舞ふ。その風を地元温泉街の方達は皆、潮風と呼んだ。部外者の私もつられて、潮風と呼んだ。さて、それは彼女が“下ろし立て”である内情を周囲にお知らせし猶予を請うている。絶賛研修中!敵は自分だけで十分♪とかつて耳にした事のあるラップが有線から店内に流れても流れていなくても、客は自分だけで十分だった。


N「お決まりになりましたら、そちらの決して押してはいけないボタンを…。」

S「ピンポーン。」

N「ずこー。」

S「メカジキのグリル御膳を、白ごはんを旬ごはんにバージョンアップでお願いします。」

N「はい、かしこまりました。繰り返しません。私がオウムに生まれていれば、何の疑いも無く繰り返していた事でしょう。そう、永遠に…。」


 W改めN改めOは、厨房という名の鳥籠へと返り咲いてしまった。その引き際に彼女の水平お盆チョップが、先に差し出された水の氷を丁寧になぎ倒した。濡れる。ウェイトレスの覆水盆に返らずシーンは、過去に何度かTVドラマやバラエティ番組のコント等で拝見した事はあったが、まさか実際の現場に立ち会えるとは想わなかった。ライヴだ!いいメイドの土産になりました。


 オムライス似の羽が、油まみれの甲板に吹雪いた。


待ち時間、舌置き無沙汰をまやかすべく店内を舐め回す。濡らす。わざわざ描写を欲しているようなモノは、何一つ置かれていない。もう直き昼食が夕食に名を改めようとしていた。



 手持ちの携帯電話の時計で約20分は経っただろうか。お子様ランチのオマケでありオモチャでもある電車の女性専用車両から、蝶ネクタイをこさえた小さいおじさん=妖精(?)が駆け降りて来るなり、

      
Y「ふッヒっ、大変お待たせして申し訳ございません。ほッヒっ、ご注文頂いたメカジキのグリル御膳ですが、ゴっふッ、気まぐれシェフがキマグレンでして…かくかくしかじか男性デュオの……はい…。」

 大人店長(社会的に)の熱心な説明によると、メカジキは本日グリグリ出来ないらしい。

S「それでは…。」

 と、改めてメニューを広げ第二候補に繰り上げ当選を告げようとする、その声帯の震えを塞ぎへし折るように…

Y「その代償と言っては何ですが、旬のお猿さんをふんだんに使用した特別メニューを御用意致しました。もし宜しければ…。」

S「……では、そちらを頂きます。」

Y「はい、かしこまりました。喜んでー!!(喜んでー!!)…どうぞ、こちらの9階のお部屋へ。お足下の深淵に十分御注意くださいませ。」


 * * * * *


 徒歩なら2分にも満たない、ボーイング747なら離陸するまでもない至近距離に別府湾を望む立地のビジネスホテルの一室で、海のウの字も観えぬ912室で、小綺麗なドレッサーの前に小汚い私は鎮座していた。無論、お粧しの為ではない。備え付けの電話をする為だけに生まれてきたような電話機の隣には、支配人の粋な計らいで大量のメモ紙と黒ボールペンがこれ又定着していた。これで心置きなく歌詞を書けますね。にわか観光客なら誰もがそう思った事だろう。持参した21枚の五線譜と筆記用具は、炎上し鎮火させた。私が旅に出た♨個ある理由の内♨個目の理由、つまり最後の理由は『エンディングテーマ』を書き続ける為でもありました。このような裏テーマを所有している内部事情には、きっと羽田空港の保安検査場の職員&X線検査装置も、百戦錬磨の銀座の占い師やスピリチュアル・カウンセラーも、あの世界のマツコ・デラックスでさえも見抜けなかったに違いありません!ただ、このような自意識超過剰も大概にせねば、我が輩の赴く先々の背景は薔薇畑になっちゃうのだ…YOU…なっちゃ…否!!YO!!今年の自身に強制しようテーマは「オレオレオレオ!!」なのです。もう残り十日を切りましたが…。


 君も俺と一緒にしゃしゃり出ませんか?
 
 Would you syasyarry me ?   


 
 To Be Continued…


 *後記*

先月からアキレス腱断裂せんばかりの勢いで背伸びをしてTwitter(→http://twitter.com/#!/so_shi_te)を始めました。僭越ながら皆様と×××させて頂けましたら×××と存じますので、どうぞソチラも合わせて宜しくお願い致します。P.S. Merry Christmas…